ロウリュでお肉を焼くと短時間でふっくらジューシーに、しかも早く焼けるという言葉をこれまで多くのユーザーの方々から頂いておりまして、私自身色々なバーベキューグリルを使ったことはあるのですが、確かにロウリュで焼くと厚さ5cmくらいの分厚いお肉でも、短時間で中に火が通り、しかもお肉は柔らかく肉汁溢れジューシーに焼けると感じております。

そしてその理由はロウリュの「5つの熱を利用する特殊な内部構造」にあると考えております。

今回はロウリュの特殊な内部構造が生み出す5つの熱について説明したいと思います。

 1, 輻射熱
1つ目は炭から放射される輻射熱です。ロウリュは間接焼きではありますが、炭と食材の間に鉄板などの遮蔽物がないので輻射熱がダイレクトで食材にあたります。

なお、炭火の輻射熱には遠赤外線と近赤外線があると言われていますが、炭火はガス火と比べて何と4倍もの量の遠赤外線を放射していると言われています。

遠赤外線は物体に当たるとそこで熱を発生させるため、炭火から放射された遠赤外線がお肉の表面のタンパク質を焼き固め、同時に水分を蒸発させカリっと焼き上げます。

同時に、炭火から放射された近赤外線は食材の内部まで浸透する性質を持つため、お肉の内部まで熱を通し、外はカリっと、中はふっくらジューシーに焼きあがるのです。

皆様も「食材を美味しく焼くには強火の遠火が一番良い」と聞いたことがあるかと思いますが、ロウリュは炭火かつ間接焼きの為、強火の遠火の仕組みを庫内で体現しているのです。

2, 対流熱
2つ目は炭から放射された輻射熱が庫内に対流する事で生まれる対流熱です。ロウリュは空気穴がグリル本体の底と蓋の天面に1つずつ付いており、下から空気を吸入し、上から排出するという構造になっています。

この時、庫内で熱せられた空気が対流し、対流熱が生まれます。

通常のバーベキューグリルはお肉を下からのみ焼きますが、ロウリュは対流熱によって食材の上面も焼き上げますので、輻射熱と併せることでお肉を上面と下面の両方から同時に焼き上げることができるのです。

3, 反射熱
3つ目は炭火から放射された輻射熱がステンレスの蓋に反射して跳ね返ることで生まれる反射熱です。

ロウリュウが外装及び内装に一切に塗装をしない理由は、塗装をすることで熱がステンレスに吸収されるのを最大限抑えるためです。
※「無煙バーベキューグリルの反射熱と塗装について」はコチラ

先に述べた対流熱とこの反射熱によって、間接焼きながら短時間で食材の上面を焼ける構造を実現しています。

4, 加熱水蒸気
4つ目は庫内に充満する加熱水蒸気（一部推測）です。加熱水蒸気とは、100度以上に加熱された水蒸気の事です。

現時点ではまだ推測ではありますが食材の下に敷いた水受けに張った水が庫内の熱で温められ蒸気となり、その蒸気が220~250度の庫内で温められることによって加熱水蒸気に変化していると推測しています。

加熱水蒸気は後述の通り熱伝導率が高いため短時間で食材に熱を通すことができます。食材に短時間で火が通ることで食品の細胞組織が破壊され水分が流出する軽減する事ができるので、食材をジューシーに焼き上げることができるのです。

また加熱水蒸気は100度以上の為、食材についた瞬間に表面温度は100度以上になり、水分を蒸発させカリっと焦げ目もつけて焼き上げます。

5, 高い熱伝導率
5つ目は高い熱伝導率です。一般的な蓋付きのバーベキューグリルの庫内は高温で熱されている為、非常に乾燥しています。

しかしながら、乾燥した空気と湿った空気では、実は湿った空気の方が遥かに早く熱を食材に伝え、その差は1000倍とも言われています。

乾燥した空気はちょうど壁の中にいれた断熱材のような働きをし、熱伝導率が低いため、食材にも熱を伝えにくいのです（「フランス式 おいしい肉の教科書」参照）
※「無煙バーベキューグリルの火の通りの早さ（熱伝導率）について」はコチラ

ロウリュは先の述べた加熱水蒸気が庫内に充満しているため、グリル庫内は220~250度と高温でありながら湿度は高い状態なのでお肉に早く熱を伝えるのです。 

いかがでしたでしょうか？今回はロウリュの特殊な内部構造が生み出す5つの熱について説明させていただきました。

製作者の私自身、まだ気づいていない魅力がありそうですのでユーザーの皆さまも何か気が付いたことがあれば是非ご意見頂けたら幸いです。
これからも無煙バーベキューグリル「ロウリュ」をよろしくお願いします。

【参考サイト】
・過熱水蒸気で火をつける
・過熱水蒸気（オアシス島根株式会社）
・過熱水蒸気の概要
・過熱水蒸気加工（パイオニアジャパングループ）
・水で美味しく加熱する、スチームオーブンレンジで料理を楽しもう！
・炭火の焼き鳥は何故美味しいのか？
・一般社団法人遠赤外線協会
・「炭焼き」の美味しさの理由